寝ている間に、頭は良くなります。小学生に必要な睡眠は9〜12時間
勉強してがんばった内容が頭に入るのは、実は「寝ている間」です。
だから、寝るほど頭は良くなります。
① 必要な睡眠を知る … 小学生は9〜12時間(厚生労働省の睡眠ガイド2023)
② 寝ると何が良くなるかを知る … 集中力が増す/覚えたことが定着する/気持ちが安定する
③ 子どもには「寝ると頭が良くなるよ」と伝える(⛔「早く寝なさい」ではなく)
いま届いていなくても、大丈夫です。少しずつ近づけていけばいいと思っています。
寝ないのは、子どもの問題ではありません
学習塾をやっていて、コーチングもやっている、3児の父です。パパ塾長といいます。
「うちの子が寝てくれない」という相談を、何回も受けてきました。
でも、先に書いておきます。
低学年のうちは、親が寝かしつければ寝ます。
高学年になると、夜に目が冴えてくることはあると思います。でも、小学校の低学年のうちは、そこは問題になりません。
じゃあ、何が一番大事なのか。
親が「寝ると、こんなに良くなる」と知っていることです。
ここを飛ばして「早く寝なさい」だけをくり返しても、うまくいきません。「勉強しなさい」とまったく同じです。
(このあたりは「「勉強しなさい」と言わなければ、本当にしない?」に詳しく書きました。「今日は何時にやる?」と聞くだけです。)
だから今日は、まず知識の話を書きます。
寝ている間に、頭は良くなります
わが家では、子どもにこう言っています。
「勉強がんばって頭が良くなるのはね、実は”寝てる間”なんだよ」
これ、本当です。厚生労働省が2023年に出した「健康づくりのための睡眠ガイド2023」に、こう書いてあります。
良質な睡眠を適切な時間確保することで、集中力が増し学習効率が向上します。さらに、睡眠は学習した内容を強固にする役割も果たすため、睡眠時間を確保することでより学習内容が定着しやすくなります。
寝ると、こうなります。
米国睡眠医学会も、同じことを言っています。推奨どおりに寝ている子は、注意力・行動・学習・記憶・感情の調整・生活の質が良くなると。
つまり、こういうことです
がんばって勉強したことは、その日のうちに頭に入るわけではありません。
寝ている間に、脳の中で整理されて、はじめて自分のものになります。
だから、寝る前に勉強すると、実はすごく覚えています。 そして、寝る時間を削って勉強すると、せっかくがんばったことが、もったいないことになります。
寝るのは、サボりではありません。勉強の続きです。
小学生に必要な睡眠は、9〜12時間です
では、どれくらい寝ればいいのか。
同じガイドに、はっきり書いてあります。もとになっているのは、米国睡眠医学会(American Academy of Sleep Medicine)の推奨です。
| 年齢 | 必要な睡眠(1日あたり) | |
|---|---|---|
| 生後4か月〜1歳 | 12〜16時間 | 昼寝を含む |
| 1〜2歳 | 11〜14時間 | 昼寝を含む |
| 3〜5歳(年少〜年長) | 10〜13時間 | 昼寝を含む |
| 6〜12歳(小1〜小6) | 9〜12時間 | |
| 13〜18歳(中1〜高3) | 8〜10時間 | |
| 大人 | 6〜8時間 | 少なくとも6時間以上 |
※ 生後4か月より前については、推奨が出されていません(個人差が大きいためです)。
「小1で9時間でいい」ではありません
ここ、気をつけてください。
9〜12時間というのは、小1から小6までを、ひとまとめにした幅です。小1が9時間でいい、という意味ではありません。
前後を並べると、つながっているのが分かります。
- 3〜5歳 … 10〜13時間
- 小1〜小6 … 9〜12時間
- 中1〜高3 … 8〜10時間
だから、低学年は上のほう、高学年は下のほうと読むのが自然です。学年で並べると、こうなります。
| 学年 | 目安 | 逆算すると |
|---|---|---|
| 小1・小2 | 11時間前後 | 20時に寝て、7時に起きる |
| 小3・小4 | 10時間前後 | 20時30分に寝て、6時30分に起きる |
| 小5・小6 | 9〜10時間 | 21時30分に寝て、6時30分に起きる |
※ この学年別の内訳は、公的に決められた数字ではありません。前後の年齢区分から読み取った目安です。
小5で9時間なら、21時30分に寝て6時30分に起きる。……結構、厳しいと思います。
でも、目指す先が分かっているだけで、だいぶ違います。
逆に、足りないとどうなるか
ここも、知っておいてください。知っていると、優先順位が変わります。
厚生労働省のガイドには、睡眠時間が足りないと、こうなると報告されている、と書かれています。
3番の「成績が下がる」は、中で何が起きているかというと、さっきの裏返しです。
- 集中が続かない → 同じ問題に時間がかかる
- 覚えたことが定着しない → 昨日やったことを忘れている
- 覚えるのにも、時間がかかるようになる
そして、いちばん気をつけたいのはここです。
「自分は頭が悪いんだ」と思ってしまいます。
本当は、寝ていないだけです。でも子どもには、そう見えません。やってもできない自分に見えます。
でも、逆に言えばこうです。
寝るだけで、「できるようになった」と思える子になります。
同じ子です。同じ頭です。寝ているかどうかで、そう見えるだけです。
だから、寝かせてあげてください。
子どもには、こう言っています
わが家では、「何時に寝なさい」とは言いません。理由を話します。
「勉強がんばって頭が良くなるのはね、実は”寝てる間”なんだよ」
「寝てる間に、体が大きくなるホルモンが出て、その日おぼえたことも脳の中で整理されるんだよ」
「だからね、寝る前に勉強すると、実はすごくおぼえてるんだよ」
「寝ることは、すごくいいことだよ」
「だから、早く寝ようね」
「何時に寝なさい」ではありません。「だから、早く寝ようね」です。
どんなに小さくても、こうやって言えば伝わります。未就学でも大丈夫です。
⛔ 逆に、理由を言わずに「早く寝なさい」だけを毎晩くり返すと、勉強のときと同じことが起きます。 言われないと寝ない子になり、親は毎晩言い続けることになります。
「寝ないといけない」と思いすぎると、寝れなくなります
ここ、大事なところです。
「寝ないといけない」と思いすぎると、逆に寝れなくなります。
これ、「勉強しなさい」とまったく同じ構造です。強制すると、効果がゼロになる。睡眠でも、同じことが起きます。
だから、寝る時間は譲りませんが、強制はしません。
「寝れない」と言われたら
子どもから出てくるのは、「寝れない」です。目が覚めちゃって寝れない、とか。
そういうとき、こうしています。
| # | やること | 言うこと |
|---|---|---|
| 1 | 先に認める | 「寝れないよね」 |
| 2 | 事情を添える | 「だけど、明日の朝早いし」 |
| 3 | いいことだと伝える | 「寝てる間に頭も良くなるし、寝ることはすごくいいことだよ」 |
| 4 | 誘う | 「目を閉じてみようか」 |
| 5 | そばにいる | 横で、ずっと一緒にいる |
「寝なさい」でも「まだ起きてるの」でもありません。 「寝れないよね」と、先に認めてからです。
「勉強しなさい」と言わずに「今日は何時にやる?」と聞くのと、まったく同じやり方です。
5番の「横でずっと一緒にいる」が、正直いちばん効きます。ただ、それがなかなか現代社会で難しいというのは、しょうがないと思っています。
次の日が休みなら、寝かせようとしません
次の日が休みなら、話は別です。
せっかくだから、いろんな話をします。 人生のこと。今の学校のこと。
寝れない夜は、その子とゆっくり話せる夜でもあります。次の日が休みなら、それでいいと思っています。
「なぜ今日は寝れないのか」を考える
寝れないときは、必ず理由があります。 そして、理由が分かれば、次の日は寝られます。
わが家で見ているのは、この3つです。
① 画面を見ていなかったか
厚生労働省のガイドにも、はっきり書いてあります。
- 就寝前は、ブルーライトを含む明るい光を避ける
- こどものほうが、光の影響を受けやすい(10歳代は目のレンズの光の通りが良いためです)
- パソコンよりも、スマートフォンのほうが目に入る光の量が多い
米国睡眠医学会も、良い睡眠の習慣として「就寝30分前に電子機器をオフにする」を挙げています。
画面を早めに切っておくと、それだけで寝つきが変わります。
② 体を動かしていたか
これ、見落としがちです。休みの日ほど起きます。
一日じゅう家にいて、外に出ていない。体を動かしていない。そういう日は、寝れません。
同じガイドに、小・中・高校生は1日60分以上からだを動かし、スクリーンタイムは2時間以下にすることが推奨されている、と書かれています。適度な運動は、良い眠りにつながるとも書かれています。
昼間に外に出た日は、よく寝ます。 逆に言えば、そこは親が作れます。
③ 寝る前に、刺激が強いものがなかったか
寝る直前の激しい運動は、かえって睡眠の質を下げます(これもガイドに書かれています)。
カフェインは、子どもならそもそも摂らないと思うので、あまり気にしていません。それより、寝る前に興奮するようなことがなかったかを見ています。
寝る前を静かにしておくと、寝られます。
今できていなくても、大丈夫です
正直に書きます。
うちは今、小1です。目安なら11時間前後ですが、実際は9時間か10時間で寝ることが多いです。
推奨には、届いていません。
でも、それでいいと思っています。
あまりに無理なら、1〜2時間くらい減ってもいいと思っています。
親に負担が行き過ぎるなら、そこは削っていいです。 毎晩「寝なさい」と言い合って、家の空気が悪くなるくらいなら、そのほうがずっといい。
大事なのは、目指す先を知っていることです。
「なぜ今日は寝れないのかな」と、うちの子のことを考えて、そこで親がどうしていくか。そういう試行錯誤を、親が続けていけばいいと思っています。
できるだけ、これを目指していきましょう。 今できていないなら、少しずつ、これに近づけていけば大丈夫です。
(もう「早く寝なさい」と言い続けてしまった、という方へ。同じことを勉強のほうで書いたのが「もう「勉強しなさい」と言ってしまった人へ」です。)
まとめ
決めるのは、子どもです。 でも、知っておくのは、親です。
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