この記事の結論

子どもに「将来の夢」がなくても、変な夢でも、まったく問題ありません。

親がやることは3つだけです。

① 「何になりたい?」と聞く → ② どんな答えでも受けて「じゃあ勉強がんばったら、それになれるよ」と返す → ③ 「だから毎日勉強、これからがんばってみよっか」

この3つで、「うちは毎日勉強する家です」という”共通言語”ができます。

ここができてはじめて、「今日は何時にやる?」が通るようになります。

順番を飛ばして「勉強しなさい」から入ると、どれだけ言っても定着しません。

年中の子が、こう言いました。

「メタモンになりたい」

ポケモンです。何にでも変身するやつです。

私はこう答えました。

「勉強がんばれば、メタモンにもなれるよ」

ふざけているわけではありません。この会話が、わが家の勉強の出発点だからです。

今日はその話をします。

小さな子どもが好きなキャラクターの本を広げて話している

わが家では毎日「今日は何時にやる?」と聞いています

学習塾をやっていて、コーチングもやっている、3児の父です。パパ塾長といいます。

わが家では、勉強させたいとき、こう声をかけます。

「さあ、今日は何時にやる?」

「勉強しなさい」とは言いません。時間もこちらで決めません。子どもに決めさせます。

……という話を先にしてしまうと、たぶん失敗します。

なぜなら、この一言は、いきなりは使えないからです。

「今日は何時にやる?」が成立するのは、毎日勉強することが、すでに前提になっている家だけです。その前提がない家でこれを言うと、返ってくるのは「やらない」の一言です。当たり前です。

じゃあ、その前提はどうやって作るのか。

ここから先が、この記事の本題です。

「何時にやる?」の前に、3段あります

「何時にやる?」に至る4つの段階の図

順番はこうです。

段 やること
① 「将来の夢、何がいい?」「何になりたい?」と聞く
② どんな答えが返ってきても受ける。そして「じゃあ勉強がんばったら、それになれるよ」
③ 「だから毎日勉強、これから頑張ってみよっか」 ← ここで「共通言語」ができる
④ ここまで来て、はじめて「さあ、今日は何時にやる?」が成立する

冒頭のメタモンは、② の話です。

いきなり「勉強するぞ」から入らない。まず、何のためにやるのかを、子どもの言葉で決める。 それだけです。

① まず「何になりたい?」と聞く

食卓で親が子どもに将来のことを聞いている

小学校1年生の上の子は、こう言いました。

「警察官になりたい」

年中の子は、メタモンです。

どちらも正解です。 というより、正解も不正解もありません。

ここで親が聞いているのは、将来設計ではありません。その子が、今わくわくしているものです。それだけが分かればいい。

② どんな答えでも受ける

「なれない」は証明できない、という図

ここが一番大事なところです。

メタモンと言われて、「ああ?」とか「え〜」とか返さない。訂正もしない。 「もっと現実的なのは?」なんて、絶対に言わない。

理由は、優しさではありません。

「なれない」ということは、証明できないからです。

考えてみてください。目の前にいるのは、これから何十年も先を生きる子どもです。その子が何になれて、何になれないかを、親が知っているはずがない。

極端な話、将来がマトリックスみたいな世界になったとして、その子が自分でプログラムを書いてメタモンになる、ということだって、「ありえない」とは言えないわけです。

否定する根拠が、こちらに無い。

だから否定しない。ただそれだけの話です。

なお、深掘りするのはおすすめです。

  • 「なんでメタモンになりたいの?」
  • 「どういうふうになりたいの?」

聞いてみると、親が思っていたのとは違う理由が出てくることがあります。そこが本当の「わくわく」なので、聞いておいて損はありません。

③ そして「勉強」につなげる ― これが「共通言語」

なりたいものから将来の道筋へつながる図

受けたら、次はこう返します。

年中の子(メタモン)には:

「勉強がんばれば、メタモンにもなれるよ」

これで終わりです。これで十分です。

小1の子(警察官)には、もう一段伸ばします:

「じゃあ毎日勉強がんばって、警察官の中でも東大に行って、警察官僚になって、

日本中の悪いやつを捕まえて、困ってる人をもっともっと助けられるようになるといいね。

毎日勉強がんばろうね」

年齢が上がったら、夢の解像度を、親が一段だけ上げてやる。

警察官 → 東大 → 警察官僚 → 日本中の困っている人を助ける。

こうやって、「なりたいもの」と「毎日の勉強」が、一本の線でつながります。

私はこれを 「共通言語」 と呼んでいます。

「うちは、毎日勉強する家です」

「なぜなら、〇〇になるためです」

この2つが、親と子のあいだで共有されている状態。これが共通言語です。

共通言語がある家では、「今日は何時にやる?」が通ります。

共通言語がない家では、何を言っても「やらされている」になります。

親子が一緒に1枚の看板を持っている「共通言語」の図

④ ここで、やっと「今日は何時にやる?」

共通言語がある家とない家の対比

ここまで来て、はじめて時間の話ができます。

そして時間も、子どもに決めさせます。

正直に書くと、渋ります。 うちの上の子は渋って「11時」とか言います。夜の話じゃありません、夏休みの午前11時です。それでも通します。

このあたりは長くなるので、次の記事に書きます。

子どもが渋りながら時計を見て、親がおだやかに待っている

「小さい子に将来の夢なんて、無理では?」

こう思った方がいると思います。実際、そう言う専門家もいます。

「小さな子どもに将来の夢は持てない」「親が望んでいそうな答えを言ってしまうだけだ」——と。

言いたいことは分かります。でも、前提がずれています。

私たちは、正しい将来設計を聞いているわけではありません。

聞いているのは「今わくわくしているもの」で、親がやることは「それを勉強につなぐこと」だけ。

だから、メタモンで成立します。 大きい金魚でも、プリンでも、YouTuberでも成立します。

そして「親が望む答えを言わせてしまう」という心配も、どんな答えでも受けるなら、起きません。 正解が無いところに、正解を探しにいく子はいないからです。

まとめ ― 順番だけ、間違えないでください

この記事のまとめ3点
よくある順番 うまくいく順番
「勉強しなさい」から始める 「何になりたい?」から始める
夢を現実的に修正してあげる どんな答えでも受ける(否定する根拠が無い)
親が勉強の時間を決める 勉強する理由を、子どもの言葉で決める
やらないから怒る 共通言語ができてから、時間の話をする

メタモンでいい、と本気で思っています。

その子が、毎日机に向かう理由を持っているなら、中身がメタモンでも警察官でも、役割はまったく同じだからです。

「うちの子、将来の夢とか言わないんですよね」という方は、今日の夕飯のときにでも聞いてみてください。

たぶん、わけの分からないことを言います。

そのわけの分からないやつを、そのまま受けてください。 そこからです。

次回は、共通言語ができたあとの話——「勉強しなさい」を一度も言わずに、毎日やらせる方法を書きます。

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学習塾をやっていて、コーチングもやっている、3児の父です。同じ話を、こちらでも出しています。

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パパ塾長
学習塾をやっていて、コーチングもやっている、3児の父です。中学受験、小学生の勉強法、子どもの頭を良くする方法を、塾長でありパパの視点で書いています。「勉強しなさい」とは言いません。決めるのは、子どもです。